お知らせ

contact

News

お知らせ

2018年7月30日(月)

  • エココラム

絶滅危惧種「チゴモズ」大分を通過

チゴモズ 環境省レッドリスト 絶滅危惧IA類 (CR)
 スズメ目>>モズ科>モズ属
 中国南部やスマトラ、フィリピンで越冬し、日本には夏鳥として渡来する。樹林と草地が組み合わされた環境をこのみ、主として昆虫を採餌する。本州中部から東北地方にかけて局所的に分布するが、元来生息数は少なかったと推測されている。現在ではほとんど生息を確認できず、国内での絶滅が危ぶまれる。
 渡りは九州北部を通って中部・東北方面に移動するコースを取ることが多く、大分を通過した記録は過去に3例有るだけ(野鳥の会大分県支部)。

 そんな貴重な鳥を筆者が目撃したのは6月1日の早朝でした。
散歩中に小高い杉の木に白い鳥が止まっていました(見上げているので、肉眼ではお腹の白いところしか判別できなかった)。見ていると数分止まって囀り、何処かへ飛んで行き、数分して戻って来て囀るを繰り返しています。
気になったので、ともかくカメラで撮影し、自宅に帰りパソコンに取り込んで、図鑑と比べ、囀りもネットで確認し、チゴモズと判断した。
翌日まで大分に滞在していたが、3日目以降姿を確認していないので関崎から四国を経由して中部地方へ渡ったものと思われる。

 1978年に実施した「第 2回自然環境保全基礎調査」の結果と、2004年「第 6回自然環境保全基礎調査」を比較をしたところ、繁殖を確認した場所は20か所からわずか 2か所へと大幅に減っている。
絶滅危惧IA類 (CR) 今、最も絶滅が危惧される種のチゴモズ。チゴモズが好む樹林と草地が組み合わされた環境が急速に減っている中、次に会える日が来るのか? それは我々人間が自然環境を維持し次世代へ繋げられるかに掛かっている。次はペアで姿を見せて欲しいものだ。
(K.S 2018.7.24)

※日本野鳥の会「チゴモズの広島県内におけるチゴモズの繁殖記録」及び
生物多様性センター「チゴモズ」を参照しました。