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2008年8月5日(火)

  • エココラム

みんな生きているんだ友達なんだ

地方紙にクマゼミが市街地に繁殖しているとの記事があった。それも異常気象に関係あるかのように。筆者は昆虫博士ではないので、詳しいことはわからないが、クマゼミは昔から市街地にいる。それも手が届くような低い位置に群れを成していることもある。決して突然わいた異常現象ではない。むしろ、蝉は正確に「夏の移ろい」を感じることのできる数少ない昆虫と認識している。初夏のニイニイゼミに始まって、盛夏のアブラゼミ、クマゼミ、少し遅れてミンミンゼミ、盆あたりでツクツクボウシ、朝夕に秋を感じるヒグラシと続く。盆前は蝉の声が喧しい。いわゆる「蝉時雨」である。蝉の断末魔のようにも聞こえる。蝉の幼虫は地下に3年から長いもので15年くらいいるらしいが成虫は地上で長くて1ヶ月というから、はかないと言えばはかない。というわけで、筆者の周辺では蝉と異常気象を関連付けるものはない。

トンボの世界では最近、多くの種類を見ることがなくなった。シオカラトンボ、オニヤンマ、ギンヤンマ、イトトンボなど。似て非なるウスバカゲロウも見なくなった。ヤゴが棲む川がなくなったからか。昔は川面を飛ぶトンボをよく見たものである。最近見るトンボと言えば「アキアカネ」のみと言ってもいい。いわゆる赤とんぼである。別名「盆トンボ」とも言い、盆の季節になると乱舞していたのが、今は季節感なく飛んでいる。これは、どうやら環境破壊と関係がありそうだ。こういう時代だからこそ見なくなった昆虫に会えた時は嬉しい。実は先日、「シオカラトンボ」に遭遇した。「久しぶりっ!」といういう声が思わず出た。同時に「お前も元気で頑張れよ!」と言われた気がした。そして頭に浮かんだ歌が「手のひらを太陽に」だ。

ぼくらは みんな 生きている 生きているから 歌うんだ
ぼくらは みんな 生きている 生きているから 悲しいんだ
手のひらを太陽に 透かして見れば 真っ赤に流れる ぼくの血潮
みみずだって おけらだって あめんぼだって
みんなみんな 生きているんだ 友達なんだ

ぼくらは みんな 生きている 生きているから 笑うんだ
ぼくらは みんな 生きている 生きているから 嬉しいんだ
手のひらを太陽に 透かして見れば 真っ赤に流れる ぼくの血潮
とんぼだって かえるだって みつばちだって
みんなみんな 生きているんだ 友達なんだ

少年の心と自然との共生を見事に表した歌だと思いませんか?
(O.F 2008.8.5)