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2009年5月26日(火)

  • エココラム

古里の里山に思う

何十年ぶりに、田舎の山(石鎚山)に登った。ここには小学生のころ私が単独で初めて登った岩場がある。町から見える岩場は遠目には小さな岩塊がある様にしか見えないが、岩場の下に立つと今にも岩が落ちてくるように切り立っている。昔は正面から岩場に取り付いたように記憶しているが藪に遮られ落ち葉が何重にも重なって今回は流石に取り付けなかった。
そういえば、当時は何もなく岩の割れ目を這い登り、登ったものの下りるのに下りれなくて、何時間も岩の上で震えていたことを思い出した。
今は、岩場の東・西に登山ルートが整備され危険箇所にはロープや鎖も準備されて登り易くなっている。今回は東側から取り付くことにした。
巨岩を拝する場所は信仰の場となるようだが、ここもその例に漏れず岩場の上には祠が有り、岩場の下には石鎚神社がある。

 岩場からは、痩尾根を伝って城山へ続く登山道がある。踏み後ははっきりしないが尾根伝いなので迷うことは無いだろう。城山山頂には幾つかの石仏と井戸らしい石組みが残っている。戦国時代に大友氏が築城した山城(真嶽城)があったところである。今は、車でも登れ、車道の終わりはハングライダーの基地にもなっているようだ。
下りはそのまま車道を下る手もあるが、尾根伝いに岩場にもどり岩場の西側へ下ることにした。西側にも神社があったようで石組みが残っていた、後で会った古老に聞くと火事で消失し麓に移転したとのことだった。
話は逸れるが、山で出会った人の話を聞くのも私の楽しみの一つだ。地元の猟師や林業関係者と動物や樹木の話、歴史や言い伝え、観光案内に無いルートや名所を聞き取りながら尋ねるのも一興だ。

 前置きが長くなったが、ここら一体の山も、他の里山同様人の手が入らず荒れて竹が幅を利かせ一部は藪と化している。
その中で岩場の東側に木の少ない場所があった、崖け崩れで立ち木ごともって行かれたのだろうと思っていたが、
「もみじを植えました、自然を大切にしましょう」
と立て札が立っていた。良く見ると雑木を切り倒したような後もある。ここにも自然を大切に思う心が見えて、何だか嬉しくなった。私の孫がここに来るころには立派な紅葉が見れるだろうか?
ここにも自然を大切に思う心があるから、きっと綺麗な紅葉になるだろう。古里の里山を後世に残して行くのも今生きている私たちの大切な使命だと思う。自然に触れると、そういう気持ちが更に強くなるものだ。
(K.S 2009.5.26)