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2014年7月16日(水)

  • エココラム

「トノサマガエル」が消る、レッドリスト「準絶滅危惧種」に指定

ネットのニュースを見ていて、「身近だった「トノサマガエル」が消えた、レッドリスト「準絶滅危惧種」にも指定され」の記事が目に留まった。
ニュースを少し引用すると。
 滋賀県彦根市の彦根地方気象台で今年4月、「トノサマガエルの初見」が観測された。この観測が記録されたのは、実に10年ぶりのことだ。全国各地の気象台は、「ソメイヨシノの開花」や「ウグイスの初鳴き」など、四季折々に応じて動植物の観測も行っている。しかし、トノサマガエルは環境省のレッドリストに「準絶滅危惧種」に指定されるまでに減少しており、すでに観測対象から除外している気象台や測候所もある。彦根では久々の“再会”にわきあがったが、トノサマガエルはすっかり「身近な生き物」ではなくなっている。
=引用終わり=

 ホント?気になって、大分地方気象台のHPを確認してみた。
実に大分市でも、2011年から「欠測」今年もまだ見つかっていない。観測の範囲は、気象台の半径5キロ圏内と定められているらしい。でも大分地方気象台から200mほどで大分川、1kmほどの元町にはまだ水田も有るのにのに見つからないのは意外いだ。 気象台に問い合わせてみると1992年が最後で以降見つからないとの回答。
因みに、私の初見は4月26日オーイーシーの森林(直入)である。=写真=

 最近は宅地開発で水田が減り、用水路がコンクリートで固められたりして生息数が激減していると聞く。
私は、これに加え「トノサマガエル」の生態によるところも大きいと考える。
 親のトノサマガエルは、ある程度の乾燥には地中に身を隠し耐え、小型のヘビを食べるなどの強靭さを持っているが、
 幼体のオタマジャクシの成長には、水田などの止水が必要で、川などの流れのあるところに住めない。
 トノサマガエルは他のカエルに比べ親に成るのに時間がかかる、春に生まれたオタマジャクシが変態して成体になり上陸するには秋までかかる。
 大分の水田では何時のころからか中干し(稲の成長を促すため水田の水を抜く作業)をするのが当たり前になった。中干しの間に避難する溝などの水溜まりがないと成長に時間のかかるトノサマガエルのオタマジャクシは死んでしまう。
 このことが激減の要因に深く関係しているのではないかと考える。

 身近な動植物の典型例として、生物季節観測の対象に選ばれたはずのトノサマガエル。いつの間にかすっかり身近な存在ではなくなっていることに気付かされた。
 「準絶滅危惧種」に指定されたトノサマガエル、都市部を離れれば、まだまだ元気なトノサマガエル、滅危が危惧だけで終わるよう願う。
(K.S 2014.7.16)

大分地方気象台(HP)
http://www.jma-net.go.jp/oita/oita-seibutu.htm