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2011年1月19日(水)

  • エココラム

富士山見えた!

東京近郊から、2010年は116日も富士山が見えたと報道された。

 産業公害問題と言われた1960年代、工場や車から排出される汚染物質により大気は汚れ光化学スモッグも発生し健康被害が広がった。1965年は年間で65日しか見えなかったそうだ。それからほぼ半世紀、大気汚染は国の規制や企業の努力により次第に回復してきた。他にも乾燥化という新たな問題も背景にはあるようだが。一度壊した自然を取り戻すにはなんと時のかかることだろう。

 自然は回復したが、当時健康被害を被った人たち、苦しい思いをしながら亡くなった人たち、健康被害を被って不安を抱えながら暮らしている人たち、被害者から産まれ生まれながらに被害者となった人たちは、この報道をどう聞いただろうか。
過去の公害は加害者と被害者がはっきりしていた。加害者となった企業などの原因を絶てば被害は止められた。一方、温暖化などの新たな公害問題は加害者と被害者がはっきりしない。私たちが排出するCO2が元で私たちに被害がおよぶ。新たな公害問題の解決に向けて一人一人が今、努力しなければならない。子孫の世代に問題を残してはならないと思う。

 ところで、報道の元となった成蹊高校・中学の観測所は職員の方が1956年から1日も欠かさずに気象観測を行い富士山の様子を記録に残していたそうだ。気象庁の観測網が無人化されていく中で、人手で観測される貴重な資料がここに生かされた。
(K.S 2011.1.19)

 その後も成蹊高校・中学の職員による観測は1日も欠かさず続いている。
2011年は過去最高の131日、昨年2012年は少し減ったものの126日を記録した。