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2014年3月17日(月)

  • エココラム

山ある記(3)「抵抗性マツ」

職場で植樹祭に参加してきた。今回は、住吉浜の松林に「抵抗性マツ」を500本植えた。
住吉浜は、杵築市の守江湾に突き出た砂州に松林が続いている。「豊後の天橋立」と呼ばれる松林の綺麗なところだ。しかし、近年はマツクイムシの被害が目立つそうだ。枯れた松は管理者が早めに切り倒し処分しているので、枯れた立ち木や倒木は一見目立たたないが、良く見ると切り株がかなりある。
 マツクイムシ(マツノザイセンチュウ)は、近年、広い範囲で松を枯らす害虫だ。九州で多く見られた被害は、温暖化により、今では青森県まで北上しているらしい。松の被害を止めるため薬剤散布も行われたが、薬剤を使用すると他の益虫も殺し生態系に大きな影響を与える。何とか被害を止めようと試されたのが「抵抗性マツ」だ。

 「抵抗性マツ」は、マツクイムシの被害を受けた松林でも生き残る松である。遺伝的にマツノザイセンチュウから体を守る仕組み持っている松がある。マツクイムシの被害から生き残った松の子孫を増やし、増やした子苗を人工的にマツノザイセンチュウに感染させ生き残った松だけを「抵抗性マツ」と呼ぶ。詳しい説明は、森林総合研究所のサイトで研究成果が報告されているのでそちらを参考されたい。
森林総合研究所 http://www.ffpri.affrc.go.jp マツノザイセンチュウに対するクロマツの抵抗性の機構解明

 抵抗性マツは、人手は介しているがもともと松が持つ生命力を上手く利用したもので、遺伝子組み換え大豆などと違い自然環境に影響を与えることはない。
(K.S 2014.3.17)

今回の山歩き

  • 場所  大分県杵築市守江
  • コース 住吉浜